米国の株式市場はこの1週間、投資家に極度のストレスをかけている。だが債券市場も平静を保てるような状況ではなかった。8日にはS&P500種株価指数が4日続落する中、米長期国債の価格も下落した。価格と逆の動きをする利回りは急上昇した。とりわけ予想外だったのは、それに先立つ数日間、株価が急落しても長期国債の価格が通常のように上昇しなかったことだ。混乱が起きると国債が安全資産になるという考えはもはや通用しなかった。なぜ米国債利回りがこのような動きをしたのかは大きな疑問だ。その答えは債券トレーダーが反射的に最も単純なシナリオを織り込んでいるからかもしれない。つまり短期的な経済ショックの後は、急速に現状を回復するということだ。また債券は二つの異なる方向に引っ張られている。景気後退懸念が強まる一方で、関税によってインフレの加速や高止まりの見込みも高まっている。
米国債利回りは高止まり、米株の混乱よそに
債券トレーダーは通常の水準に程なく戻るとみているようだ
有料会員限定
あなたにおすすめ