人工知能(AI)は人間の仕事を補完し、手助けをしてくれるのだろうか。それとも人間の仕事を自動化し、職を奪うのだろうか。ある経済学者は、それは人間次第だと主張する。そして、人間は間違った方向に進んでいるという。米マサチューセッツ工科大学(MIT)の経済学者、センディル・ムッライナタン氏(53)は、AIは人間に降りかかってきたものではなく、人間が作り出しているものだと指摘する。AIがどのような技術になるかは人間が選択できるという。2002年に「マッカーサー天才賞」を受賞したムッライナタン氏はキャリアの初期に、行動経済学の知見が貧困層にどのように役立つかを研究することに力を入れた。その集大成として、行動心理学者のエルダー・シャフィール氏との共著で「Scarcity: Why Having Too Little Means So Much(邦題:いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学)」を2013年に出版した。ムッライナタン氏はその後、AIに焦点を当てた。
AIが仕事を全て奪うわけではない理由
MITの経済学者ムッライナタン氏はAIの役割に関し、人間が方向性を決めることができると主張する
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