中国による米ボーイング製航空機の購入停止が続けば、中国航空機メーカーの中国商用飛機(COMAC)は国際競争力をつける前に痛手を被る恐れがある。米国と中国は高関税のかけ合いで二国間の貿易が激減の危機にあり、関係が急速に崩壊しつつある。貿易戦争が数十億ドル規模の航空分野に波及したことで、両国経済に大きな問題が生じる恐れがある。航空機メーカーは中国を将来最大の民間航空機市場とみている。ボーイングは長年、中国にとって工業分野で米国最大の輸出企業だった。米商務省国際貿易局のデータによると、昨年の米国の航空機、宇宙船、部品の対中輸出は120億ドル(約1.7兆円)で、中国からの輸入は事実上ゼロだった。中国政府は国内航空会社に代替のサプライヤーを用意するため、上海に本社を置くCOMACに数百億ドル相当を投じ、ボーイングや欧州のエアバスが納入する旅客機の国内版を作ろうとしている。