地方国公立とMARCHの併願は慎重に

――将来を考えながらの選択が大事なんですね。

びーやま:そうですね。都会の大企業への就職を視野に入れるならMARCHを検討するのがいいと思いますし、そうでないのであれば地方国公立がいいと思います。

 ただ、こういった話をすると「両方受験すればいい」という意見がよく出るのですが、地方国公立とMARCHの両方を平等に併願するのは結構危険なので注意が必要です。

 この両者は問題の傾向もまったく違います。いくらMARCHが3科目だからといって、対策なしで受かるのはむずかしいですし、本気で対策しようとすれば、国公立大学の対策が間に合わないくらいのしっかりとした時間が必要となります。

 現に、これまで地方国公立とMARCHの両方に落ちてしまったという学生に何度もインタビューをしてきましたが、みんな共通して言うのは「最初からMARCHだけに絞っておけば受かった」という言葉です。これは負け惜しみという感じはなく、僕も実際にそうだと思います。

 地方国公立の7科目とMARCHの3科目の組み合わせは絶妙に相性が悪いので、仮に両者を併願する際もどっちつかずとならないよう、しっかりと順番をつけ、戦略を練って勉強することが必須となります。

――たしかに、地方国公立とMARCHを併願するケースは多そうですね。

びーやま:そうなんです。地方国公立大学を受けるような学生は学力も意識も高いですから、「落ちてもせめてMARCHに」という心理が働きやすく、こういったことが起こりがちなんです。

 しかも、MARCHの中でも比較的偏差値の低い学部ならいけるんじゃないかと侮ったりもするので、そこは油断せずやってほしいなと思います。

 いずれにしても地方国公立とMARCHで悩むというのはレベルの高いいい悩みだと思いますから、自分に合ったほうを選べば、人生レベルでの間違いはないんじゃないかと思います。

――よく理解できました。ありがとうございました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。