「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の『はじめに』より一部を抜粋・再編集してお届けします。

高校生Photo: Adobe Stock

17歳のときに訪れる「大きすぎる選択」

「この成績だったら、地方にある公立大学を受けられるね」

 これは、高校生だった僕が学校の進路指導で言われた言葉です。

 僕はこの言葉を言われたときに大変ショックを受けました。なぜなら、当時の僕は東京にある私立大学への進学を希望しており、その思いとは180度違うことを言われたからです。

「公立大学なら優秀でいいじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。国公立大学、私立大学にかかわらず、大学とはピンキリです。

 先生から薦められたその大学の入試偏差値は37で、場所は北海道にありました。ちなみに、その当時の僕の偏差値も37です。要するに、先生は全国のなかで僕が進学できる公立大学を教えてくれたのです。

 僕が通っていた茨城県の公立高校では、国公立大学に進学することがなによりも優先される空気がありました。

 そのため、僕も高校3年生の6月までは無理をして国公立大学を志望していました。とはいえ、明確に国公立大学に進学したかった理由があるわけではなく、「まわりがそういう空気」だから志望していただけでしたので、最終的には自分が魅力を感じた東京の私立大学を志望しました。

 もちろん、そのとき先生に薦められた大学が悪いなんてことは決してありません。ただ、縁もゆかりのない北海道という土地で、自ら希望したわけでもなく、「成績的に進学できるから」という理由だけで選んだ大学に進むことに僕は漠然と恐怖を感じたのです。

 今思えば、そのときの直感は当たっていました。もし言われるがまま、勧められた大学に進学していたら、僕の人生は大変なことになっていたことでしょう。