地方国公立大学が頭がいいのは間違いない

――では、あくまで就職面だけということなのでしょうか。

びーやま:そう捉えてもらっても構いません。学力的には「私立3科目の偏差値60」と「国公立7科目の偏差値60」は同じものではありませんから、国公立大学のほうが優れていることが多いと思います。

 だからと言ってMARCHが学力的に低いなんてことにはなりませんが、相対的に考えると差は出ると思います。

――地方国公立大学の学生はそれだけ頭がいいわけですから、就職でも引くて数多な気もするのですが、そのあたりはどうなんでしょうか。

びーやま:僕も「地方国公立というだけですごい!」と思っているタイプなので、そうであってほしいところなのですが、現実の就職はは地方国公立だからといって、むやみに評価が高いということはない印象です。

 その理由は2つあると思っていて、1つは私立の早慶に負けるケースです。東大をはじめとする旧帝大や一橋、東京科学などはそもそもの別格として、普通の地方国公立は就職面で早慶を上回るのはなかなかむずかしいです。

 早慶に関しては科目数が少ないとはいえ、学力はかなり高いですし、就職に関する人脈や情報も豊富ですから、普通に競えばなかなか勝つのはむずかしいでしょう。

 もう1つは、「そこまで地方国公立が評価されていない」ということです。これは僕も大変不思議に感じているのですが、地方国公立だからと言って、必ず評価が高いということがあまり起こり得ないのです。特に都会ほどこの傾向が強い印象があります。

 僕が人事であれば、地方国公立の時点で、ある程度評価するのですが、今のところは「地方国公立大学、へぇそうなんですね」くらいで、特別なアドバンテージになっている印象はありません。もちろん不利にも働いていませんが、個人的にはまだまだインパクトは弱いなと思います。

 なので、僕の願望としては地方国公立はすごいんだよということをもっと知ってほしいです。

――なるほど。それはちょっとわかる気がします。むずかしい問題ですね。

びーやま:そうですね。なので、「地方国公立のここがダメ!」ではなくて、世間との評価としてそうなっているということです。

 そのため、繰り返しになりますが、地方国公立に進学すること自体は非常にいいことだと僕は思います。