ドナルド・トランプ米大統領が貿易戦争の手を緩める可能性が浮上し、市場は上昇したものの、米国資産の信頼性が恒久的に失われる可能性は消えていない。これまでは資本逃避への懸念が米国債に集中していたが、米国株とドルへの影響の方が深刻になる可能性がある。23日、米政府が中国からの輸入品に対する関税の大幅引き下げを検討しているとの報道を受け、米国株・米国債・ドルに再び資金が流れ込んだ。投資家が一斉に安堵(あんど)したのは無理もないが、不安定な経済政策や米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性が脅かされていることへの懸念が簡単に消えることはなく、今後、米国資産は「リスクプレミアム」の適用が妥当になるかもしれない。
米市場に長期の資本逃避リスク、トランプ氏が変心でも
投資家は米国債を最も懸念してきたが、株式の方が外国勢の資金流出の影響をはるかに受けやすい
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