
【シンガポール】中国の華為技術(ファーウェイ)は、半導体大手 エヌビディア のハイエンド製品の一部代替を目指し、最新かつ強力な人工知能(AI)プロセッサーの試験を準備している。
米政府は中国に対し、欧米の一部の半導体製造装置へのアクセス遮断などを試みている。だが中国の代表的なテック企業の一つであるファーウェイの着実な進歩は、同国の半導体産業の弾力性を示している。
事情に詳しい関係者らによれば、ファーウェイは「Ascend(アセンド)910D」と呼ばれる新型チップの技術的な実用性を検証するため、中国の複数のテック企業にアプローチしている。また早ければ5月末にも、最初のサンプルを受け取る予定となっているという。
アセンド910Dの開発はまだ初期段階にあり、半導体の性能を評価して顧客に提供できるよう準備するには一連のテストが必要になると関係者らは述べた。
ファーウェイはアセンド910Dについて、2022年に発売されたAIトレーニング用の人気半導体であるエヌビディアの「H100」よりも強力になることを期待していると関係者の1人は述べている。
ファーウェイは米国が優位に立つ技術分野で中国国内をリードする立場に浮上。深センを拠点とする同社はこれまでも、エヌビディア製のAIチップの代替品として中国国内では最も有望な製品の一部を開発している。これは国内調達できる半導体産業を育成するための中国政府の取り組みの一環でもある。