ドイツ連邦議会(下院)は6日、異例の2回目の投票で中道右派キリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首を戦後10人目の首相に選出した。メルツ氏は初回投票で必要とされる過半数の獲得を逃し、弱い立場で任期をスタートすることになった。ドイツの首相候補が議会の指名選挙で承認に2回の投票を要したのは戦後初めて。連立予定の陣営が過半数を12議席上回っていたにもかかわらず、1回目は十分な支持を確保できなかった。投票は無記名で行われ、反対票を投じた議員も名乗り出ていないため、初回投票で造反者が出た理由は不明だ。メルツ氏の首相就任は数時間遅れただけだったが、アナリストらは、このつまずきが次期政権の信頼性に汚点を残すとみている。この混乱が極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に有利に働くと考える者もいる。AfDへの支持は一部の世論調査でメルツ氏のCDUを上回っている。
ドイツ議会、メルツ新首相選出 再投票は戦後初
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