「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

評価が「思っているより低い」1つの原因
突然ですが、皆さんは今の職場で高い評価を得ているでしょうか。正直、「思うような評価を得られていない」という人もいると思います。
「自分の評価に納得がいっていない」という人に質問です。では、そもそもですが、どうして思っているような評価を得られていないのでしょうか。
これはもちろん一概には言えません。単に仕事のパフォーマンスが低いということもあれば、上司とそりが合わないことだってあるかもしれませんね。
ここで重要なのは、「自分の評価は一体、どのように決まっているのか」を正確に知ることです。今回はそれについて紹介していきましょう。
サイレント減点されていないか?
実は評価に関しては、職場で出世する人と出世しない人で、決定的に違う点が1つあります。それは、「サイレント減点」です。
皆さんはサイレント減点という言葉をご存じですか。サイレント減点とは、僕の本の中で紹介している、職場のコスパを下げる原因の1つです。ざっくり言えば、「誰からも注意されたりしないのに、陰でこっそりと評価が下がっている悲劇的な現象」のことを指します。
例えば、皆さんは、自分の後輩が飲み会を開いたときに、お店が悪かったり、時間に遅れてきたりしたときにどう思うでしょうか。正直、いまいちだなぁというふうに思いますよね。では、それを後輩に直接指摘するでしょうか。昔であれば指摘する、怒る、指導することもあったのかもしれませんが、今の時代では、なかなか直接言うことそのものが減っていると思います。
このとき重要なのは、その後輩は「自分が評価を下げられていることにすら気づけない」という点です。なぜなら、その後輩にとってその飲み会は「別に失敗ではない」からです。誰からも何も言われていないので、自分の評価が下がっていることに思い至れないのです。
これがサイレント減点が生まれるメカニズムです。
上司も「指導しづらい」時代
職場においては、多かれ少なかれ毎日このようなことが起きています。昔は指導してくれたことも、今はハラスメントリスクがあったり、「会社を辞められては困る」という上司の力学が働くため、直接言われにくくなっていたりします。
みなさんも自分の日々の振る舞いを改めて見直してみてください。こういった「サイレント減点」を防ぐことが、出世の確率を下げない方法の1つです。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)