人間関係の悩みが少ない人が大切にしていること
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

余計なトラブルを避けるうえで効果的なこと
今日は「いい人に思われる方法」について、お話ししてみたいと思います。
もちろん、「いい人に思われたい」と思いすぎるのは、他人軸で生きることになりますから、おすすめはしません。他人にどう評価されるかばかりを気にする生き方は、しんどくなってしまいます。
とはいえ、どうでもいい場面や関係性では、「いい人」と思われておくほうが無難なこともありますよね。「何でもやってくれる都合のいい人」になってしまっては本末転倒ですが、「悪い人ではない」と思われておくことは、余計なトラブルを避けるうえで効果的です。
「いい人」は距離感で決まる
実は、「いい人」と思われるかどうかは、距離感の問題が大きいです。
例えば、ご近所づきあいにおける「いい人」とは、挨拶をすれば気持ちよく挨拶を返してくれるような、笑顔の人ではないでしょうか。逆に、挨拶しても無視されるような人は、「感じが悪い」「怖い人」という印象になってしまいます。
つまり、ご近所の関係性で「いい人」であるためには、ただ笑顔で挨拶をするだけで十分なのです。
距離が近づくと「いい人」でいられなくなる?
ところが、そのご近所さんと急に仕事を一緒にしたり、お金の貸し借りをするような関係になったらどうでしょう。お互いの本性や利害が見えはじめて、「いい人」ではいられなくなる可能性も出てきます。これはお互いにとってそうです。
つまり、「いい人でい続けるには、適切な距離を保っていること」が前提になるのです。この「人との適切な距離感」を意識せずに関係を深めすぎると、「いい人という印象が崩れてしまうリスク」が高まります。
本音をぶつけ合うのは「距離の近い人」だけでいい
一方で、「この人とは腹を割ってやっていきたい」「一蓮托生の関係だ」と思える相手に対しては、「いい人」である必要はありません。本音をぶつけ合ったり、時にぶつかるような関係も、それはそれで健全です。
ただし、すべての人にそれをする必要はありません。ご近所さんのように、適度な距離を保つ相手にまで本音をさらけ出してぶつかり合えば、「やばい人」扱いされてしまうかもしれません。
人間関係は距離で変わる
たとえば、ご近所の人と飲みに行ったりして少しずつ仲良くなり、やがて親友のような関係になれば、本音を出しても「悪い人」とは思われません。
人間関係というのは、距離感によっていくらでも印象が変わるものなのです。
ニュースでよくある「いい人だった」の正体
よく、事件などで加害者の近所の人が「挨拶もちゃんとする、明るくていい人だった」と語っているのを見かけますよね。あれは当然のことです。
ご近所という「遠い距離感」で見たときには、その人は「いい人」に見えていたのでしょう。
実際には重大な犯罪を犯していたわけですから、被害者にとってはとんでもない「悪い人」です。このことからも、「いい人」の印象は距離感によっていかようにも変わる、ということがわかります。
いい人に思われたいなら「距離感」を意識して
ですから、「いい人に思われたい」と思うのであれば、距離感のとり方をうまくやることがポイントです。もちろん、無理にいい人を演じる必要はありませんが、関わる必要のない相手に対してまでトラブルを生むような関係性は避けたいものです。
社会適応という意味でも、「いい人と思われる距離感」を意識して過ごすことは、意外と重要なスキルなのです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。