12日の取引で米国株が急騰したのは、対中関税の引き下げだけが理由ではない。米中関税交渉が始まり、相互に課していた3桁の関税率の引き下げが決まったことで、米経済が一気にスタグフレーションに陥るとの懸念が一掃された。これは極めて好ましいニュースだ。これは投資家が可能だと考えていた以上の内容だった。ドナルド・トランプ米大統領が9日、 80%の関税が「適切だろう」 と発言していたことを踏まえればなおさらだ。今回の合意で、米国は対中追加関税を30%に引き下げる。米中とも税率を10%に引き下げるが、米国側は合成麻薬フェンタニルへの対策強化を促すため、20%の関税も維持する。