米サンフランシスコにあるカードゲーム会社のオーナーは、自身のマネー・マーケット・ファンド(MMF)を取り崩した。あるテントメーカーの創業者は出資者を探している。コロラド州の時計・アクセサリー会社は、新規のオフィス賃貸契約を結ぶのをためらっている。ニューハンプシャー州の消費財メーカーは従業員数を半分以下に減らした。中国製品を輸入する全米の小規模事業主は、現在課されている計145%の対中関税(訳注:米中は12日に「相互」関税を125%から10%に引き下げることで合意)をどうにか乗り越えようと、大小さまざまな策を講じている。だが多くは会社の生き残りに不安を抱えている。「権力者は誰も中小企業のことを気にしていないようだ」。中国メーカーと協力し、描画用のアクリルマーカーやティキトーチ(ポリネシア風のたいまつ)など幅広い商品を手がける企業、5スターノース(ニューハンプシャー州)のオーナー、スコット・アンダーソン氏はこう話す。「現時点で思い浮かぶ唯一の選択肢は、在庫の残りを売り切って店を閉めることだ」