ベテラン航空管制官のジョナサン・スチュワート氏(45)は、米ニュージャージー州ニューアーク付近を飛行する航空機を監視していた。業務開始から3時間を過ぎた頃、レーダー画面上で2機の航空機が正面から向かい合うように急接近しているのに気づいた。同州モリスタウンの空港を飛び立ったビジネスジェット機は、企業フライトの発着拠点である近隣のテターボロ空港を離陸した別の小型機の方に向かっていた。両機は同じ高度を飛行中で、あと数秒で空中衝突する恐れがあった。スチュワート氏は数日前に発生したレーダーと無線通信の障害がまた起きるかもしれないとの懸念から、航空機のコールサイン(呼び出し符号)とフライト情報をノートに書き留めていた。衝突の危険が迫る中、両機に互いに遠ざかる方向に旋回するよう指示した。パイロットはそれに従い、事なきを得た。