ＴＤＬと言ってはいけない？

 ディズニーブランドの版権管理がいかに厳しいものだったか。それは東京ディズニーランドが日本にやってくる前から、知る人ぞ知るものでもありました。

 これは今でもそうですが、世界中どこでも、例えばディズニーキャラクターを勝手に使って商品を売り出したりしたら、即刻、通告がやってきます。ディズニー担当の弁護士から、です。訴訟を起こす、という通告です。

 もし、裁判に訴えられて、キャラクターの無断使用が認められてしまったら、莫大な損害賠償を命じられる可能性があります。だから、あれほどのブランドでありながら、そう簡単に海賊版が出てこないのです。仮に海賊版の商品が売れて儲けられたとしても、その後に裁判で訴えられたら、そんな利益はおそらく吹き飛んでしまう。だから、やらない。
 
 こうした感覚は、東京ディズニーランドにおいても同じでした。いや、内部にいれば、それ以上の管理意識が必要だということを痛感させられることになりました。
 例えば、ノーム・エルダーに言われたのは、この言葉でした。
「東京ディズニーランドのことをＴＤＬと呼んではならない」