自分の気持ちがわかるようになる魔法の習慣
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

【精神科医が教える】心がモヤモヤして嫌な気分になりがちな人の共通点Photo: Adobe Stock

自分の気持ちを観察することの大切さ

今日は、「自分の今の気持ちを観察すること」の大切さについてお話ししたいと思います。

多くの人が、モヤモヤしたり、何か嫌な気分になったり、「なんだか生きづらいな」と感じたりすることがあります。

そうした人に共通しているのが、「今の自分の気持ち」に対して鈍感になっているという点です。気持ちを言葉にしたり、自分で理解するのが苦手な場合が多いのです。

気づくまでにタイムラグがあるとツラくなる

自分の本当の気持ちに気づくまでに、ワンテンポ、ツーテンポ、あるいは数日かかるという方も少なくありません。そうした「気持ちへのタイムラグ」が大きい人ほど、モヤモヤや生きづらさを感じやすくなります。

なぜなら、気づかないうちに自分の気持ちを無視して行動してしまい、あとから「あのとき無理してたんだな」とか「本当は嫌だったのに我慢してた」と気づくからです。

そして、そのときにはもう状況が進みすぎていて、後戻りができなかったり、傷が大きくなっていたりするのです。

自分の気持ちに気づけると、うまく行動できる

自分の気持ちをその場でしっかりと認識できる人は、「これは無理かも」「それはやりたい」など、自分の意思をはっきり伝えることができます。そして、自分が嫌なことを無理に引き受けたりせず、好きなことに素直に手を伸ばせるようになるのです。

その結果、周囲からも「生きやすそうな人」「自然体で付き合いやすい人」と思われるようになります。

はっきりと物事を言ってくれるし、無理しないから信頼もされやすくなる。つまり、気持ちのタイムラグが少ないと、それだけで人生が楽になるのです。

観察の練習は「書くこと」から始めよう

とはいえ、慣れないうちは、自分の気持ちを言葉にするのが難しいこともあります。そんなときは、まずは「今の気持ち」を紙に書き出してみることから始めてみてください。

毎日少しずつでもいいので、自分の心の動きに意識を向けてみましょう。そうすることで、だんだんと気持ちに気づくスピードが上がっていきます。

タイムラグが短くなればなるほど、自分を守ることができるようになります。

自分の気持ちに正直であることが判断の軸になる

先日、「未来のイメージを描くときに、やりたいこととやりたくないこと、どちらを先に書けばいいですか?」と質問されました。

これに対して私は、「どちらでも大丈夫です」と答えました。重要なのは、自分の気持ちを観察して、今自然に出てきたほうを選ぶということだからです。

これは何にでも応用できる考え方です。大切なのは、「正解」を探すことではなく、「自分の今の気持ちに正直であること」なのです。

自分の気持ちを観察する習慣を持とう

自分の気持ちをつぶさに観察すること。それは、毎日を少しでも生きやすくするための、とても有効な習慣です。

無理して頑張る前に、まずは「自分は今、どう感じているのか?」を丁寧に見てあげましょう。

その練習を積み重ねることで、少しずつ心が軽くなり、人生もよりスムーズに進むようになるはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。