今年の変動の激しい、貿易戦争に翻弄(ほんろう)された市場で、米国の投資家が上場投資信託(ETF)を好む姿勢は揺るがなかった。むしろ、さらに強まった。投資家は今年これまでに過去最高の4370億ドル(約62兆3000億円)を米ETFに投じており、新型コロナウイルス禍以降で最も荒れた市場にも動じていない。資金流入が現在のペースを維持すれば(歴史的に見て、夏から秋にかけて加速する)、米ETFへの資金流入は2年連続で過去最高を記録することになる。これは、ミューチュアルファンドからETFへの資金流出が止まらないことが一因だ。ETFは手数料が低く、伝統的な投資商品にはない税制上の利点がある傾向がある。だが、この10年にわたる傾向だけでは今年の急増を説明できない。実際、米国市場が不安定になった際、多くの投資家が米国資産への投資を増やし始めた。現在はこれまで以上にETF購入を通じて投資している。
米ETFに記録的ペースで資金流入、市場の混乱よそに
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