ほとんどの投資家は「FOMO(取り残されることへの恐怖)」を感じたことがあるが、足元では逆の感情を抱いている人が多い。4月にはドナルド・トランプ米大統領の関税政策を巡る混乱で、米国株は4日間で12%下落した。投資家の中には、世界貿易の繁栄を支えてきた数十年来の通商協定をトランプ氏の政策が覆すことを懸念し、株式市場から引き揚げた人もいる。さらにはトランプ氏の2期目が始まる前から、あるいは2023~24年に米国株が2桁の年間上昇率を立て続けに記録したようなことは持続不可能だとの判断に基づき、もっと早期に投資を引き揚げた人もいる。現在、トランプ氏がいくつかの関税を撤回し、米国際貿易裁判所が先月28日に示した判断で貿易戦争の先行きに疑問符がついたことから、市場は4月の損失を取り戻している。こうした状況の中で積極的に投資すべきかどうかを迷い、多くの人が様子見している。