10年前の時点では「大阪都大学」の可能性も?

 もうひとつ変化といえば、10年前はまだ「大阪市立大」と「大阪府立大」が別々だった。合併したことによって大学自体の規模が大きくなったが、現在も関西御三家に並ぶかと言われるとそんなことはない。ただ、存在感が確実に増しているのはたしか。今、最も勢いのある国公立大学は「大阪公立大学」と言っても過言ではない。

 ちなみに10年前の『大学図鑑!2016』は2015年3月に発刊されたわけだが、当時は「大阪都構想」が大きな話題になっていたこともあり、序列マップ内には「合併して『大阪都大学』に??」という文言がある。

 そのほか、現在の『大学図鑑!2026』には掲載されている広島大学は10年前には掲載されていなかった。現在では中国地方の名門をなんとかして掲載したいという思いから広島大学を掲載しているが、「それなら岡山大学も掲載してほしい」という声もある。

 たしかに、この両者の関係性も非常に特徴的で、今後の『大学図鑑!』ではそういったあたりも含めて掲載大学の検討を行っていきたい。

 なお、西日本では東日本に比べて国公立大学のほうが「エライ」という風潮が強い。これは「頭がいい」でも「すごい」とも少し違っていて、「エライ」というのが一番しっくりくる。

 その「エライ」のなかには「学費も安い地元の名門大に入って親孝行だね」といったニュアンスも含まれており、県内のトップ公立高校→県内の国公立大学が今もなおエリートコースであることがうかがえる。

10年前に発刊された『大学図鑑!2017』の序列マップ

序列マップマップの見方と注意点
*このマップは大まかな目安です。同じ学部であっても学科や専攻によって事情は異なります。詳細は各大学別のページを熟読してください。
*縦軸の「エライ」は入試偏差値による序列とほぼ同じですが、「100%同じではない」ところを読み取ってください。横軸は「学生の雰囲気」をなんとなく表しています。
*無断転載禁止