『風、薫る』第37回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて12年目の著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第37回(2026年5月19日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
ずる賢い女・直美
「気持ちがわかるなんて、たやすく言わないでちょうだい」
「思い上がらないで」
千佳子(仲間由紀恵)にきつく言われ、すごすご上等病室を出るりん(見上愛)。
第37回のテーマは患者(他者)の気持ちがわかるか問題だ。他人の気持ちを慮ることは、視聴者にも興味あることだろう。
直美(上坂樹里)もちょうど丸山(若林時英)と気持ちの問題を語り合う。
丸山のかゆいところがわからない直美に「患者の気持ちなんてわかんなくて当たり前なんだから」と丸山は諦めている。
直美も「私に丸山さんの気持ちがわかるわけないし、丸山さんに私の気持ちだってわかるわけないですよね」とお互い様と開き直る。
直美が患者のためを思って患部をかかないように言っても、かゆければかくし、薬の回数を増やすために先生にあれこれ考えて手を尽くしても「一ノ瀬(りん)の時は極楽だった」と比較する。そういうとき直美がどう思うか、丸山はわかっていない。
責められて反省する丸山。もしかして直美のこれも演技かもしれない。所作が大げさだったから。ただし、りんと比べられたことは根に持っていると思われる。
藤田(坂口涼太郎)が診療に来ると、丸山ほか患者たちは一斉に藤田を持ち上げる。大家さんからそう聞いたと。すると藤田はすっくと立ち上がり、直美を見てにやり。直美もにっこり。
見習いとばかにしていた直美を「看護婦」扱いし、看病婦たちに直美のようにやれと言う。
褒められてすっかりいい気分になった藤田はスーツをぴしっとさせて、オーバーで気取った振る舞いをする。舞台でも活躍する坂口涼太郎の抜群の動き。
丸山たちを利用した直美の計略をブスッと見ているフユ(猫背椿)。ほかの見習いと違い「ずいぶんずるい女ね」と直美を非難した。でも直美は負けない。
「ずる賢い女って言ってくれます?」
こう言われたあとのフユの顔も映してほしかった。







