株式投資をする人たちの間で大きな支持を集める話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズに答えるだけで「投資のコツ」をつかめる手軽さが人気を博し、絶賛の声が尽きない。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超もの資金を運用してきた経歴を持つ楽天証券・窪田真之氏だ。本稿では、『株トレ』の担当編集者が本書のポイントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株初心者が陥りがち! プロが教える「株で損を拡大するNG行動3選」Photo: Adobe Stock

【NG行動①】 将来の株価を当てようとする

 チャートで稼ごうと思うなら、「未来を当てにいく」のではなく、「今起きていること」に素直についていくのが鉄則だ、と窪田さんは強調しています。

 というのも、チャートは、“今この瞬間”、市場で何が起きているかを映し出すツール。

「買いの勢いが強いのか、それとも売りが優勢なのか」。チャートから読み取れるのは、その時点での相場の状況だといいます。

 たとえば、出来高の伸びとともに、株価が急上昇していれば、今、市場では多くの投資家が買いに来ていることがわかります。

 反対に一気に売られて、株価が急落しているのであれば、何か悪材料が出て、投資家たちがいち早く売りに来ているということがわかります。

 チャートを活用したトレードで勝つためには、このようにチャートで相場の動きをいち早く察知し、トレンドに乗ることが重要だと言います。

【NG行動②】 損切りを先延ばしにする

 個人投資家の傾向として、「利確は早く、損切りは遅い」というクセがあると窪田さんは述べています。

 含み益が出るとすぐに売りたくなるのに、含み損の銘柄は「そのうち戻る」と手放せず、結果的に塩漬けにしてしまう。

 思い当たる人も多いのではないでしょうか。

 ですが、株で勝っている人ほど、「上がっている株を持ち続け、下がっている株はすぐに売る」を徹底しているそうです。

 大事なのは、ポートフォリオから“悪い株”を外して“良い株”を残すこと。そうすることで、結果的にパフォーマンスの高い銘柄で構成されたポートフォリオを作ることができます。

【NG行動③】 好き嫌いで投資する

 損切りが遅れる原因として、窪田さんが強調するのが「思い込み」や「感情」です。

「この企業は優良だから、きっと戻るはず」
「思い入れのある銘柄だから売りたくない」

 こんな思い込みや感情が、冷静な判断を鈍らせてしまいます。

 いいニュースで株価が上昇しているときは買えても、悪いニュースで暴落したときに売れない。これが、損失を拡大させやすい個人投資家の特徴だと言います。

 感情を排除し、常にニュートラルな目で銘柄を見ることが、投資判断の精度を高める秘訣です。

 先入観を排除する方法として、『株トレ』では、「社名を隠してチャートを見る」「チャートを上下逆にして見る」といった具体的な戦略も紹介しています。