航空業界の次の目玉となるものに投資家は何十億ドルもつぎ込んでいる。完全電動式の「空飛ぶタクシー」や、超音速旅客機などだ。航空宇宙スタートアップ企業エレクトラ(本社・米バージニア州)のマーク・アレン最高経営責任者(CEO)は、もっと現実的な選択肢を提供したいと語る。サッカー場ほどのスペースで――しかも静か、かつ迅速に――離着陸できるハイブリッド電動航空機だ。米航空宇宙大手ボーイングの幹部から昨年、エレクトラのCEOへと転身したアレン氏は「単に航空機の一種だ」と話す。だが同氏には、「ウルトラショート(超短距離離着陸機)」とも呼ばれるこのハイブリッド機が、渋滞で進まない空港までの移動や、保安検査の長い列、不便な乗り継ぎを経験することなく、空の旅に出たい乗客の願いをかなえるだろうとの確信がある。ヘリコプターは騒音が大きく高価で、小型ジェット機は従来の空港を依然として使う必要があり、空飛ぶタクシーは航続距離が短い。「われわれはこうした既存技術を独自の全く新しい方法で統合し、真の直行便(ダイレクト・アビエーション)を実現しようとしている」
ハイブリッド電動航空機、「ウルトラショート」離着陸に商機
揚力技術が実現する「超短距離」が鍵、エレクトラ社のマーク・アレンCEOに聞く
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