「子どもを褒めるときのポイントは3つだけ」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中からとっておきの「褒め方のコツ」をお届けする。
子どもの「やる気」を伸ばすほめ方のコツは、3つだけです。
(1)できた瞬間をほめる
(2)本気でほめる
(3)良い面を具体的にほめる
「できた瞬間」「本気で」「具体的に」ほめる
「パズルを完成させた!」「逆上がりができた!」という「できた瞬間」を見逃さず、その場ですぐにほめてあげましょう。子どもが意欲で取り組んだことが成功した瞬間に「上手にできたね!」と声をかけてあげると、子どもは「親はいつも自分を見てくれている」と実感でき、自己肯定感が高まり、やる気に火がつきます。
子どもの自主性を伸ばそうと、勉強や習い事を100%子どもに任せていると、ほめるチャンスを失うことがあります。放任するのではなく、見守ることが大切です。「がんばっている姿を見ているよ」「あなたが努力しているのを知っているよ」というメッセージを子どもに伝えるためにも、「できた瞬間にほめる」ことを心がけましょう。
また、「本気でほめる」のが鉄則です。子どもは敏感ですから、口先だけでほめても心に響きません。親が子どもの自立や成長や努力に感動したら「〇○は本当に成長したね。自分で何でもできてすごい!」と本気でほめてあげましょう。
さらに、親だけができるほめ方のコツが、子どもの「良い面を具体的にほめる」ことです。外見の良さであったり、性格面であったり、身体能力であったり、感性でも構いません。子どもの良い部分を一番よく知っているのは親です。
「○○は本当に優しいね。お友だちといつも仲良くできるのはすごいことだよ」と、子どもの良い面を「具体的に」ほめてあげてください。
子どもの良い面というのは「外見」でも構いません。今の時代は他人の外見(スタイルがいいね!など)について言及することはご法度です。うかつに外見についてふれるとセクハラや差別扱いされてしまうこともあります。でも、親が自分の子どもの外見をほめるのは何も問題ありません。
子どもは自分の長所や特性に自分では気づくことができません。だからこそ、親が子どもの良い面を言葉に出して伝えてあげることが大切です。「笑顔がかわいいね」と子どもに伝えていると、子どもは自分の良い面をより強く意識するようになり、実際にその部分が伸びていきます。本当に笑顔がかわいい大人に成長するのです。
「わが子の隠れた特性を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。すべての子どもが持つ才能を5つに定義し、「わが子の才能」を簡単にセルフ判定できます。
子ども時代の「強み育て」は一生の武器になる
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのです。