米国とベトナムの関税協定は、ホワイトハウスがグローバル貿易を巡る慌ただしい交渉で特に重視している課題を浮き彫りにした。すなわち、中国製品が米国に入ってくる迂回(うかい)ルートを全て遮断することだ。ドナルド・トランプ米大統領が2日に発表したベトナムとの合意で重要なのは、ベトナムで「積み替えて」米国に輸入されるモノに対し、40%の懲罰的関税を課すとしたことだ。同氏がベトナムからの通常の輸入に適用するとした税率20%の2倍に当たる。トランプ氏は中国を名指しはしなかった。迂回の定義や取り締まり方法も詳細は不明だ。それでもアナリストらはこの措置について、企業がベトナムを経由して商品を米国に出荷し、中国からの輸入品に通常課される高関税を回避するのを困難にするのが真の狙いだと指摘する。