中国の消費者、欲しいのは家よりタピオカティーPhoto:CFOTO/gettyimages

 中国の消費者は景気低迷で支出を控えているが、「ラブブ(LABUBU)」人形や金のアクセサリー、タピオカミルクティーを買うのはやめていない。

 投資家も好機を逃してはいない。

 このトレンドは中国株式市場に新たな人気銘柄を生み出し、ラブブを手掛ける玩具大手、 泡泡瑪特国際集団 (ポップマート・インターナショナル・グループ)や宝飾品メーカーの老舗黄金(ラオプー・ゴールド)、茶飲料メーカーの蜜雪冰城(ミーシュエ・グループ)などの株価が大きく上昇している。

 中国で「三つの金の花」と呼ばれる3社の好調ぶりから伺えるのは、アナリストによると、中国消費者の支出動向の変化だ。

「中国の消費者市場は進化している。『新たな消費パターン』の出現で、コレクター向けブランドや清涼飲料などの分野にわくわくするような機会が生まれている」。 ティー・ロウ・プライス の株式担当スペシャリスト、アグネス・ウン氏はこう述べた。

 これまで中国の世帯は貯蓄志向が強かった。

 国際通貨基金(IMF)の報告書によると、こうした進化は人口動態の変化や、計画経済から市場経済への移行期に社会的セーフティーネットが機能しなくなったことなどが要因だ。

 不透明な雇用見通しや、多くの人が資金の置き場所にしていた不動産部門が数年にわたって低迷していることが、買い控えに拍車をかけている。

 経済問題が長期化する中、消費者の中でも特に若い世代は予算の優先順位を見直している。大和のアナリスト、カールトン・ライ氏はこう指摘する。

 消費者は実用性や基本的ニーズより、自分の関心を満たし、精神的な満足感を得られるモノやサービスにより大きな価値を見い出している。大和のアナリストはメモでこう指摘した。