3位に出戻った
意外なビーチの名前

 不名誉ながら1位となったのは千葉県千葉市のいなげの浜で、CODは6.9mg/リットルだった。23年版ランキングでは3位(CODは4.6mg/リットル)、24年版ランキングでは4位(CODは4.9mg/リットル)と、上位に入っていた。

 いなげの浜は、東京湾沿岸に位置する、面積約83ヘクタールの総合公園・稲毛海浜公園にある日本初の人工海浜。19年のリニューアルの際に、オーストラリアの白砂が搬入され、浜の全長約1200mに厚さ70cmの白砂がまかれているのが特徴的だ。

 また、2位の青森県東北町の小川原湖(CODは5.6mg/リットル)、4位の小川原湖公園(CODは3.3mg/リットル)、5位のわかさぎ公園(CODは4.9mg/リットル)はいずれも小川原湖畔の水浴場で、2024年版ランキングでもトップ5にランクインしていた。

 小川原湖は全国の湖で11番目に面積が広い湖だ。高瀬川によって太平洋とつながっているため、海水と淡水が入り混じる汽水湖である。2006年以降、CODが継続的に環境基準値(3mg/リットル以下)を超過しているが、水質悪化の要因のひとつとして、河川などを通じて、小川原湖に汚濁物質が流れ込んでいることが挙げられる。湖は、一般的に水の出入りが悪く、流入した汚濁物質が湖底に堆積しやすい傾向があり、これも影響しているのだろう。

 3位は神奈川県横浜市の海の公園(CODは5.2mg/リットル)。横浜市内で唯一海水浴ができる、人工の砂浜だ。2022年版ランキングでは3位(CODは4.7mg/リットル)にランクインするも、23年版ランキングでは10位(CODは3.9mg/リットル)、24年版ランキングでは170位(CODは1.9mg/リットル)となり水質の格付けはAランクになっていたが、25年版ではまた数値が悪化し、3位に出戻ってしまった。

今年も上位にランクインした
北海道のビーチ

 6位は北海道石狩市の石狩浜で、CODは4.8mg/リットルだった。海岸線が約600mもある道内最大級の海水浴場だ。7位は同じく石狩湾に面した石狩市のジェットビーチ石狩で、CODは4.2mg/リットル(24年版ランキングでは7位でCODは4.5mg/リットル)。

 なお、石狩浜は「ふん便性大腸菌が多い海水浴場ランキング2025」で14位となっているが、「透明度が高い海水浴場ランキング2025」では5位となっている。

 8位は山口県山口市のきらら博記念公園月の海(CODは3.8mg/リットル)で、24年版ランキングでは47位(CODは2.7mg/リットル)だった。

 9位は神奈川県平塚市の湘南ベルマーレひらつかビーチパーク(CODは3.7mg/リットル)で、24年版ランキングでは86位(CODは2.3mg/リットル)。10位は三重県松阪市の松名瀬(CODは3.6mg/リットル)で、24年版ランキングでは64位(CODは2.5mg/リットル)だった。

 トップ10の内訳を見ると、北海道(2カ所)と青森県(3カ所)だけで半分を占める結果となった。

 なお、ランキングは川、湖沼の水浴場も対象としている。長野県や滋賀県など海のない自治体に住む人も、ぜひチェックしてみてほしい。

 また、調査時の天候や、波の状況などが結果を左右することもあるため、前年の格付けも併せて確認すると良いだろう。