2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの神様Photo: Adobe Stock

財布の中で、お金たちが「ひそひそ話をする使い方」がある

 たとえば、よき仲間の中に、「これから陶芸を仕事にしていきたい」という人があらわれたとします。

 その方が、「3000円」でコーヒーカップを売っているとしたら、「じゃあ、私の名前を入れて1万円でつくって」といったお金の使い方をしてみましょう。

 新しい仕事をはじめた人に、「頑張ってね」と励ますかわりに、その人から商品を買ってあげることです。

 セーターを編むのを仕事にしている人には、「友だちだから安くしてよ」と値引いたりしない。むしろ、「より高い金額を払ってあげる」のです。

 自分のわがままのためにお金を使うのではなくて、「喜ばれる」ようにお金を使う。

 そういうお金の使い方をしていると自分のところに「倍返し」で返ってくる…、そのお金を「喜ばれる」ように使うと今度は4倍になって返ってくる…、4倍になったお金をまた「喜ばれる」ように使うと今度は8倍になって返ってくるようです。

 反対に、お金を貯め込んだり、自分の贅沢のために使いはじめたりすると、お金の流れがストップしてしまいます。

 行列ができる「おいしいお店」と、客が少ない「おいしくないお店」があったとしたら、私は「おいしくないお店」に入るようにしています。

「おいしいものを食べたいからお金を使う」のは、エゴです。お金は、「喜ばれるように使う」ものなので、流行っていないお店に使ったほうが、喜ばれます。

 1日に2000人のお客さまが並ぶラーメン屋さんでは、私の払うラーメン代は「売上の2000分の1」でしかありません。

 ところが、1日に10人しか来ないラーメン屋さんでは、私の600円が、「10分の1」の売上を占めるのです。喜ばれ方がまったく違います。

 このように、喜ばれるお金の使い方をしていると、いつの間にか、お金自身があちこちの財布で、ひそひそ話をするようになるらしい。

「あの人のところに行くと、喜ばれるように僕たちを使ってくれるよ」
「そうか。じゃあ、ほかの家に行ったら、その噂話をしてあげよう」

 お金が来たときは、「しょうがないなあ」と言いながら、使ってあげるといいです。それも、自分のエゴのためではなく、喜ばれるような使い方をしましょう。

 お金は、喜ばれたくて、喜ばれたくて、しょうがない状態で存在しているのです。

「2000万円ほしい」「3000万円ほしい」と願ってもかまいません。

 それを「自分のため」だけに使うというより、「お金はみんなのもの」と思って、「みんなに喜ばれるような使い方をしたい」と願っていると、どうも神様は聞いてくださるみたいです。