
米ニューヨーク市で飲食店スペースに対する需要がかつてないほど高まっており、市内の店舗向け不動産市場の回復を後押ししている。
不動産会社RTLのプレジデント、リー・ブロック氏によると、チポトレ・メキシカン・グリルやカバのような簡易サービスのカジュアル店であれ、こぢんまりしたピザ店であれ、広さ1万平方フィート(約929平方メートル)のステーキハウスであれ、飲食店用の物件に空きが出るとまたたく間に埋まっていく。
空き物件があまりに少ないため、物件に換気設備を設置してキッチンに改装する費用(10万ドル=約1500万円=ほどかかることもある)の負担を申し出るテナントが増えている。
不動産アドバイザリー会社リテール・バイMONA創業者のブランドン・シンガー最高経営責任者(CEO)氏は、「換気ができれば借りられる」と述べた。米商業不動産サービス大手クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによると、マンハッタンの繁華街にある小売り11地区全体で、店舗向け物件の空室率は4-6月期に12.8%と、2014年後半以来の低水準となった。

Photo: Emma Rose Milligan for WSJ
大きな理由の一つは飲食店の活況だ。米国人が飲食店で使う時間とお金は増えている。アナリストによると、ミレニアル世代が上の世代より結婚や出産の時期が遅いことが、ここ数年の外食支出増につながっている可能性がある。
カバ、ナヤ、ジョー・アンド・ザ・ジュースなど簡易サービスの店は、客がアプリで事前に注文し、店舗で待たずに受け取れるサービスを提供している。
若年層はソーシャルメディアに投稿しやすい体験型レストランを好む傾向があると、多くの店主やアナリストは指摘する。