「ビジネス書なのに、なぜか子供が夢中で読んでます!」
こんな感想が寄せられているのが、2024年の年間ベストセラー4位(ビジネス書単行本/トーハン調べ)となった話題の書頭のいい人だけが解ける論理的思考問題だ。論理的思考問題とは、知識や難しい計算はいっさい不要で、「考える力」のみが問われる問題を指す。小中学校の受験問題、就職試験問題、Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験などでも出題され、これまでの正解が通用しない時代に必要な「思考力」を鍛える“最高の知的トレーニング”でもある。
そんな論理的思考問題を紹介した本書が、いま、大人だけでなく子供にまでウケている。「親が買ったら、先に子供が読んでいた」「ゲームばかりしている兄弟が取り合っていた」などの感想が続出。この記事では、同書から1問を選んでAIに出題してみた。(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)

「頭のいい子供たち」が夢中になっている異例のビジネス書で紹介されている問題『17頭の牛』とは?問題文は書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』より

AIは「論理的な思考」ができるのか?

 論理的思考問題は、世界中で創作され、何百年にもわたって楽しまれてきました。
 この「人が創り、人が解いてきた」問題、人間より賢いと言われる「AI」は解くことができるのでしょうか?

 そこで、「論理的思考問題」の定義をしたうえで、書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から1問を抜粋して、AIに下記のように聞いてみました。

「論理的思考問題」と呼ばれるものがあります。以下が、その特徴です。
 ・知識や難しい計算は不要で、問題文を読んで論理的に考えれば答えが出せる
 ・必要な情報は、問題文に書かれていることのみ

 上記の定義を踏まえて、下記の「論理的思考問題」を解いてください。


「17頭の牛」

 17頭の牛がいる。
 A,B,Cの3人は、この牛を譲り受けることになった。
 ただし条件として、牛全体の頭数のうち、Aは2分の1を、Bは3分の1を、Cは9分の1を、それぞれ譲り受けねばならない。
 しかし、うまく分けられず困っていたところ、そこに偶然通りかかった友人が「あること」をして、条件どおりに牛を分配した。
 友人はいったい何をしたのだろう?

 さて、AIの回答はいかに?

 なおAIは「ChatGPT 4o」を使用し、AIによる回答は実際のものから内容を変えずに、文字のサイズ、色、太さのみ編集しています。

AIの回答

 これは有名な論理的思考問題で、「17頭の牛の分け前」として知られています。答えは、“友人が牛を1頭貸した”です。

 

 ■ 論理的に解いてみましょう

 【前提】

 ・牛は全部で17頭。
 ・A:半分(1/2)
 ・B:1/3
 ・C:1/9


 これを数学的に計算すると
 →1/2 + 1/3 + 1/9 = ?
 通分すると
 → (9/18)+(6/18)+(2/18)= 17/18

 

 つまり、17頭をそのまま分けると「1頭分足りない(=17/18しか分配できない)」という問題が起きます。

 

 ■ 解決方法

 そこで友人が登場して「1頭の牛を一時的に貸し」、合計を18頭にしました。

 すると…

 ・A:18 × 1/2 = 9頭
 ・B:18 × 1/3 = 6頭
 ・C:18 × 1/9 = 2頭

 合計 → 9 + 6 + 2 = 17頭


 ■ 結末

 ・条件どおり正確に分配できた。
 ・残った「1頭」は、友人が貸した牛なので、返却すればよい。


 ■ 答え

 友人が自分の牛を1頭足して18頭にし、分配が終わった後にその1頭を引き取った。


 これは、一見無理な配分条件も、ちょっと発想を変えることで解決できるという、論理的思考と発想の柔軟性を学ぶ良問です。

 ふむふむ、なるほど…。
 この回答、はたして正解なのでしょうか?
 次ページで、確認してみましょう。