「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「この先も、本当に納得できるのか?」
総合商社で働くAさん(36歳)。国内外を飛び回り、華々しい実績と安定した収入を手にしていた。
子どもが生まれ、幸せに満ち、しばらく経ったある日、ふと胸に浮かんだ。
――この先もこの生活を続けて、自分は本当に納得できるのだろうか?
肩書き、築き上げてきた信頼、そして安定。
「しがみつく」と「守り抜く」の境界が曖昧になった瞬間。
本来は誇るべきはずのこれまでのキャリアが、いつの間にか“新しい一歩”の足かせになる。
「ここで降りたら、今までが無駄になる」――そう思った瞬間、人は目の前にあった無数の選択肢が、見えなくなってしまう。
だが、見失っているのは、選択肢そのものではない。
むしろ――「自分で、自分の人生を生きる」かけがえのない力のほうだ。
「今さら辞められない」は、“優秀さゆえの殻”
真面目に努力を積み重ねてきた人ほど、これまでの経験が“殻”になりやすい。
立派な肩書き、強い実績があればあるほど、サンクコスト(埋没費用)の罠は忍び寄ってくる。
過去の蓄積から「降りること」が、つい、“敗北”に見えてしまうのだ。
環境が安定していればいるほど、人は変化の必要性を見失っていく。
だが、“内なる違和感”は消え去るわけではない。「このままでいいのか?」という問いは、いつも気を抜いたときにふと浮かぶ。
しかしそれは、あなたのこれまでを否定する声ではない。
その正体は――
未来の自分が、今の自分に向けて送ってくる、微(かす)かなSOSだ。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)