新型コロナウイルス流行前後の数年間に注目すべき現象が起き、コロナ後は特にそれが顕著だった。低所得労働者の賃金の伸びが高所得労働者の賃金の伸びを大きく上回るペースで上昇し始めたのだ。そのような時代は少なくともいったん終わったようだ。7月の米雇用統計が予想を下回り、労働市場の健全性に対する懸念が高まる中、完全に終わりを迎えた可能性もある。低所得労働者の賃金上昇率はここ数カ月で大幅に悪化したとみられる。一方、高所得労働者の賃金上昇率は比較的堅調だ。この変化は低賃金労働者だけでなく、経済全体にとっても重要な意味を持つかもしれない。8月発表の米雇用統計は示唆に富む。レジャー・ホスピタリティー産業の平均時給は22.83ドル(約3380円)と前年比3.5%上昇。一方、情報産業の平均時給は5.4%上昇して52.61ドルとなった。
米国の低賃金職、大幅賃上げ時代終わる
高所得層の賃金の伸びが再び低所得層を上回る
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