「管理職になることができた!」「会社の人間関係がラクになった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「仕事ができる上司の会話」に含まれること
上司が部下と話すとき、何気ない言葉の中に「優秀な上司」と「そうでない上司」の決定的な違いが現れます。
その差を象徴する、たった2文字のキーワードがあります。
それは「数字」です。
数字で語る上司は信頼される
「成果はどうなってる?」「今、どれくらい進んでる?」と聞かれたとき、「まぁまぁ順調です」では、受け手に安心感はありません。
「7割まで進んでいます」と言われて初めて、状況を正確に理解できます。
つまり、数字を使わない会話は、相手の不安を煽る一方で、数字で語れる上司は、部下にとっても上層部にとっても安心材料となるのです。
抽象より具体、感覚より指標
「頑張ります」や「だいたい終わってます」といった曖昧な表現では、部下の努力も評価されにくくなります。
一方、「今月は売上120%の見込みです」「問い合わせ件数は前月比マイナス15%です」といった数字ベースの報告は、信頼と共感を得やすいのです。
抽象的な感覚を共有するより、具体的な指標で現状を把握し、行動を修正する。
これが、できる上司の基本です。
数字は部下を守る武器でもある
「このメンバー、ちょっと成果が見えないね」と言われたとき、部下を守れるのは「数字」です。
「あの人は見た目ではわかりにくいけど、CSスコアは常にトップです」
「あの人のプロジェクトは納期遵守率100%です」
そう言えるかどうかが、リーダーとしての資質を問われる場面です。
数字は冷たいようでいて、最も公平で、最も強力な信頼の根拠です。
リーダーは仮面をかぶるようにしましょう。
感情や感覚よりも、まず数字で語る。それが、チームを正しく導く上司の言葉遣いです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。