「管理職になることができた!」「会社の人間関係がラクになった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【ダメだこりゃ…】出世しない人がやりがちな「報告のしかた」ワースト1Photo: Adobe Stock

出世しない人がやりがちな「報告のしかた」

 ビジネスの現場で意外と見落とされがちなのが、「報告スキル」です

 どれだけ成果を上げていても、報告の仕方が悪いと上層部には正しく伝わらず、「成果の見えない人」「よく分からない人」という評価を受けてしまいます。

結論がない報告は、聞く側にストレスを与える

 出世しない人ほど、「結論を最後に言う」「とりあえず話し始める」「状況を詳しく話しすぎる」など、要点が見えにくい報告をしがちです。

 たとえば、「◯◯の件なんですが、今朝からA社に連絡していて、でも担当の方が不在でして、やっと繋がったのが午後になって……」と始まる報告。

 これは、報告というより日記です

 聞いている上司は、最初の数秒で判断不能に陥ります。

上司が聞きたいのは「判断に必要な情報」だけ

 上司は、「結果、どうだったのか?」「判断・承認すべきかどうか?」を最短で知りたいと思っています。

 したがって、報告は「結論→根拠→要望」の順で簡潔に伝えるのが鉄則です

 たとえば、

「A社から契約の合意を得ました。本日午後に文書での確認も取れました。よろしければ、明日の会議で正式決定をお願いします」

 という報告であれば、3秒で要点が把握できます。

数値と時系列で構造化せよ

 より優れた報告は、「数値」「時系列」「ファクト」の三要素で構成されており、聞き手に負担をかけません。

・数字で成果を示す(例:『月次のKPIを120%達成』)
・時系列で整理する(例:『7月10日→提案、7月15日→契約合意』)
・曖昧な表現を避ける(例:『たぶん』『おそらく』『いずれ』は禁物)

 この構造を意識するだけで、「わかりやすい人」としての評価が格段に上がります。

 上司の気分に合わせて話す必要はありません。

 感情ではなく、構造と数字で勝負しましょう

 仮面をかぶって、冷静に、淡々と。

 報告の技術は、出世のための基本装備なのです。

(本稿は、リーダーの仮面の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。