
インフルエンサーとしてさまざまなメディアで活躍する岸谷蘭丸さんは、イタリアの名門大学の現役生であり、高校から米国へ海外留学した経験も生かして、海外留学支援サービス「MMBH留学」を立ち上げた実業家でもある。そんな彼に、「退職代行サービス」について聞いてみた。(教育エディター 江口祐子、ダイヤモンド・ライフ編集部)
退職代行サービスの流行って異常?
――「退職代行サービス」が流行っている日本って異常だと思いますか?
異常とまでは言わないですけど、僕は「退職代行アンチ派」なんですよね。なんか気持ち良くないし、好きじゃない。そもそも退職って自分の意思で入った会社を自分で辞めるってことじゃないですか。それを誰かにやってもらうのは、人として筋が通っていないと思う。もし、友人にそういう人がいたら距離を置いちゃうかもしれない。
率直に、退職するなら自分で伝えるべきだろって思いますね。僕は海外留学支援サービスの会社を経営しているのですが、経営者として人を採用する立場で言うなら、退職代行を使った履歴がある人を雇いたくはない。
仕事って、最終的には人と人とのコミュニケーションじゃないですか。上司や同僚とのやりとりも、お客さんとの関係も、全部コミュニケーションの積み重ねで成り立っている。それを最後の最後で他人に任せるのは、対話の放棄だと思うんです。僕は、仕事における人付き合いも大事にしたいから、余計に違和感があるんですよね。
ただ、世の中には、いわゆるブラック企業もあります。精神的に追い込まれて、どうしても自分で言えない、交渉の場に立てない状況はあるでしょう。そういうときに最後の手段として使うこと自体は否定しません。法的な処理をしてもらうとか、次に進むために必要な機関として求められてるのであれば理解できます。退職代行を使う側じゃなくて、使われる会社に大きな問題があるケースはあると思います。