世界中の債券トレーダーはかわいそうなことに、レーバーデー(労働者の日)の休み明けの2日以降、夏季終盤の休暇を延長していればよかったと思うに違いない。2日に職場に戻った市場関係者を出迎えたのは、世界的な国債価格の下落(利回りの上昇)だった。これらのトレーダーよりも大きな不安を抱いている者がいるとすれば、それは国家財政のやりくりを任されている、かわいそうな役人だけだろう。混乱はまず欧州で始まった。ドイツ、フランス、イタリア、オランダなどの10年物国債の利回りが軒並み急上昇した。英国の30年債利回りは、1998年以来の高水準となる5.7%に達した。米国では10年債利回りが4.3%弱と、今年の最高水準を依然下回っていることは安心材料だが、30年債利回りは5%に近づいている。