北大西洋条約機構(NATO)の戦闘機が加盟国ポーランドの領空でロシアのドローン数機を撃墜した件を巡り、ドナルド・トランプ大統領は半日近くたって初めて「ロシアはドローンでポーランド領空に侵入して、一体どうしたのだ。さあ行くぞ!(Here we go!)」と発言した。トランプ氏の曖昧な態度は、ドローン侵犯は危険な行為だと速やかにロシア政府批判で足並みをそろえた欧州指導部とは対照的だ。NATO軍が領域内でロシア軍の兵器への対応に当たったのはNATO史上、今回が初めて。ロシアのウクライナ侵攻を巡る米国主導の和平努力が暗礁に乗り上げる中、ロシアはウクライナの民間施設への攻撃を強化している。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は10日の議会で「第2次世界大戦以降で、われわれは公然たる紛争に最も近づいている」と語った。