イーロン・マスク氏が勝った。いや、表面上は彼が負けた。マスク氏対オープンAIの裁判の陪審団は18日、生成人工知能(AI)開発のオープンAIと同社のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)側の主張を支持した。かつては非営利のAI研究機関のパートナーであり、現在は営利企業のライバルとなったアルトマン氏に対し、マスク氏が「慈善団体を盗んだ」という一連の主張を提起するための時効はすでに成立している、というオープンAI側の弁論を認めたのだ。そして、この訴訟は却下された。アルトマン氏が形式的な法的根拠(テクニカリティー)で勝ったと言っているわけではない。マスク氏側はそう信じ込ませたいかもしれないが。むしろ、マスク氏は「世論の法廷」において勝利を収めたのだ。歴史的なテクノロジーブームの最中、投資家、人材、顧客をめぐって激しい競争を繰り広げているライバルに対し、マスク氏は自らの極めて強力なメガホン(発信力)を駆使して、その誠実さに疑問を投げかけた。