
190兆円の郵貯残高にひも付け
デジタル証券購入など資産取引
ゆうちょ銀行は9月1日、「トークン化預金」のサービスを2026年度に預金者向けに導入すると発表した。
利用者が専用口座を作り、貯金残高の範囲でトークン化預金とデジタル通貨を交換できるようにして、ブロックチェーン(分散型台帳)と呼ばれる技術を活用し、まずは不動産などを小口化したデジタル証券への投資やデジタルアートの購入など、金融商品や資産の取引を想定しているという。
ゆうちょ銀行の貯金残高は25年3月末で約190兆円にのぼるが、こうした貯金にひも付けけられる形で発行されるデジタル通貨による取引が膨らむ可能性はあり、口座利用の活性化も期待できる。
当面は、これまでは決済に時間がかかった資産取引などが即座に行われるという利点があるとされる。
現状ではゆうちょ銀行の貯金残高の上限があることや海外の利用者は少ないとみられ、国際的な送金・決済手段としての活用には限界があるが、今後の活用では、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行するスマートコントラクトとの連携などで、郵貯トークンは多くの可能性を秘めているといえそうだ。