M&A(合併・買収)や新規株式公開(IPO)の増加が、ウォール街の雇用市場の活況を後押ししている。大手銀行はこの1年間、戦略的拡大の一環として人員を増やしてきた。だがここにきて、案件の急激な増加により、さらに増員し、本来であれば実施していたであろう人員削減を遅らせている。米国全体の雇用市場は減速し、経済は弱含んでいるが、バンカーは将来に自信を示している。企業の取締役会や経営陣に十分な意欲があり、株式市場も活況を呈していることから、拡大計画を推進し、優秀な人材の獲得競争を繰り広げている。モルガン・スタンレーはここ数カ月で、ヘルスケア企業、テクノロジー企業、産業企業を担当する各チームでシニアバンカーを採用した。シティグループとウェルズ・ファーゴは、市場シェア拡大に向けた広範な戦略の一環として人員を増強している。JPモルガン・チェースは過去1年間で、グローバルバンキング部門のマネジングディレクターを100人以上採用しており、これはJPモルガンでは過去最多の人数だ。
ウォール街、活況呈する雇用市場でバンカーを引き抜き合い
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