「サンマ定食がないなんて!」定食屋でクレームしまくる先輩が、一緒にいると恥ずかしすぎる…止めるにはどうする?Photo:PIXTA

大人の毎日は「選択」の連続です。ピンチをチャンスに変えるには、どうすればいいのか。高い評価や人望や信頼をたくさん得られるのは、どっちの選択肢か。微妙な状況への立ち向かい方を通じて、より大きな幸せをつかめる「トク」な道を探りましょう。(コラムニスト 石原壮一郎)

定食屋さんで文句が止まらない先輩

 先輩に誘われてランチ。サンマ定食を目当てに、魚料理が人気の定食屋へ行ったが、席に着くと「すみません。たった今、サンマが切れちゃって」と謝られた。

 日頃から面倒なタイプの先輩が「看板には書いてあったのに、詐欺じゃないか」とネチネチ文句を言い始めた。いっしょにいて恥ずかしい。気が済むまで待つか、黙らせるか。

選択のポイント

 会社の同僚にせよ家族や友人にせよ、同行者がお店で理不尽なことを言い始めるケースは、たまにあります。いっしょにいるものとしては、恥ずかしくてたまりません。

「まあまあ、ここは何を食べてもおいしいので、別のメニューにしましょう」となだめたところで、簡単におとなしくはならないでしょう。「おかしいだろ。売り切れたのに看板に書いたままなんて」などと、こっちに怒りのオーラをぶつけてきたら余計に不愉快です。

 かといって、気が済むまで文句を言わせ続けるのも、お店の人に申し訳ないやら、他のお客さんの目が気になるやらで、どんどん苦しい状況に追い込まれるばかり。しかも、どのぐらい言い続ければ気が済むのかわからないのもつらいところです。

 昼休みは限られているので、今さら別の店に行くのは現実的ではありません。ここは何とか黙らせたいところ。

 大きな声で「わかりました。僕がこれから三陸沖に行ってサンマを獲ってきます!」と宣言しましょう。唐突な提案で先輩がポカンとしているスキに、「サバのみそ煮もうまそうだな。僕はそれにします。先輩は?」と畳みかけます。

 きっと先輩は気勢を削がれて「じゃあ、俺もそれで」とか何とか別のメニューを選ぶはず。無事に場が落ち着いたら、やり取りを聞いていた店員さんや周囲のお客さんが、心の中で「グッジョブ」と言ってくれているかも……と想像してもかまいません。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール