スチュアート・フィールドさんが初めて旗を掲げたのは7月だった。白地に赤い十字のイングランド旗と、赤・白・青の英国旗を数枚、イングランド中部ラグビー市内の街灯柱につるした。その直前に、英国旗をデザインしたキラキラと光るドレスを着て学校の年次文化祭に参加した娘が、帰宅させられていた。フィールドさんは激怒した。学校からの配布物には、文化祭は生徒の多様な文化を認識する行事と記されていた。「通常の制服の代わりに、ご自身の伝統的・文化的衣装を着てきてください」と書かれていた。「服装はご自身の国籍や家族の遺産を反映したものでなければなりません」娘のコートニー・ライトさん(13)は、英国文化が自分にとって何を意味するかについてスピーチするつもりだった。その内容は、アフタヌーンティーから王室、ユーモアのセンスまで、あらゆることに焦点を当てていた。しかし、それを発表する機会は与えられなかった。学校に到着すると、他の生徒から隔離され、帰宅するよう告げられた。
英国の新たな文化闘争 「旗」が火種に
「愛国的伝統の復活に向けた象徴」「威嚇手段」といった声も
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