19日のドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平氏の電話会談は、中国問題の専門家らがほとんど不可能と考えていたことを成し遂げた。冷え切った外交関係を和らげたのだ。その意義は画期的な合意で測れるものではない。なぜなら合意には至らなかったからだ。しかし、来年1年間を合意に向けた舞台にするとの決意にその意義があった。皮肉なのは、膠着(こうちゃく)状態を打破したのが貿易でも台湾問題でも軍事的な威嚇でもなかったことだ。論争の多い問題が地雷原のように広がる中で、将来の交渉への扉を開く鍵となったのは、ソーシャルメディアアプリTikTokの運命だった。