
投資家は最近、多くの恩恵を享受しているが、一部の市場関係者は2025年の株高が終わるのは時間の問題とみている。
米株式相場は過去最高値を更新し、金利は低下している。企業の増益率も引き続き堅調に推移し、減税措置で上振れが見込まれる。アナリストらは軒並み、25年末時点のS&P500種指数の目標を引き上げている。
しかし、米株の上昇は行き過ぎの様相を呈しており、一部の投資家は好調過ぎる状況に警戒感を示し始めている。例年、10月は株式市場が低迷する。また、ミーム株への投資熱や企業評価額の上昇など、多くの投資家は市場が過熱している兆候をとらえており、株価暴落の前兆ではないかと身構えている。
マニュライフ・インベストメント・マネジメントの株式およびマルチアセット・ソリューションズ担当最高投資責任者(CIO)のネイト・ソーフト氏は、「この株高の様相にはやや懸念を感じる。終盤の展開のように思える」と述べた。
投資家の多くは、株価の上昇には根拠があるとしている。米経済は底堅さを示しており、雇用市場は冷え込みつつあるが深刻な悪化には至っておらず、貿易戦争による物価の急騰もまだ見られない。アナリストらは、関税引き上げで景気後退(リセッション)が起こる公算は小さいと考えており、こうした見方が、S&P500種指数が今年に入り13%上昇している一因となっている。年初来ではダウ工業株30種平均が9%、ナスダック総合指数も17%それぞれ上昇している。