米半導体大手エヌビディアの人工知能(AI)半導体をアラブ首長国連邦(UAE)に供給する数十億ドル規模の合意が、署名から5カ月近くたっても停滞しており、同社のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)と一部の米政権幹部をいら立たせている。事情に詳しい複数の関係者によると、この遅れはフアン氏とホワイトハウスのAI担当責任者デービッド・サックス氏にとって打撃となる。両氏は、輸出に焦点を当てた新たな米国のテクノロジー戦略を強調するため、取引の迅速な進展を期待しており、UAEと結んだような合意を、AI競争で米国が中国に先んじ続けるための鍵と見なしている。5月に発表されたこの合意の下で、UAEは年間最大数十万個のエヌビディア製半導体と引き換えに米国への投資を約束した。しかし関係者によれば、数カ月間にわたる協議を経ても投資は実現しておらず、遅れの理由が分からない一部の政権幹部を困惑させているという。