大学受験は「才能」でふるいにかけるようにできていない

――なるほど。その意味で「努力の競技」なわけですね。

びーやま:そういうことです。

 そもそもですが、大学受験のいいところは、誰にでも公平にチャンスがあるところです。「勉強のセンス」や「地頭の良さ」だけで学生をとりたいのであれば、「名門高校出身者」だけに絞って入試を行えばいいわけですが、今はそうじゃないですよね。

 出身高校も年齢もキャリアも関係なく、誰でも勉強さえすれば入れるのが大学です。これは「一時の才能」だけで人材を判別しないためだと僕は考えています。

 言いかえれば、大学は「単純に頭のいい学生」がほしいのではなく、「ちゃんと勉強に向き合える学生」がほしいんじゃないのかなと。

――納得です。だから誰にでも門が開かれているわけですね。

びーやま:しかも、大学入試はどの大学も過去問があって、対策もできる。これって努力で乗り越えてくださいというメッセージなんじゃないのかなと。

 なので、地頭が良いことに越したことはないですが、それだけで大学入試は決まらないと僕は感じます。そうでないと毎年逆転合格者がボコボコ出てくることに説明がつきません。大事なのは努力です。

 僕の知っているものだと、高校3年の10月時点で偏差値40だった学生が現役で早稲田の社会科学部に受かったケースがあります。この子はシャワーを浴びる時間と寝る時間以外のすべての時間を勉強しながら過ごすことに決めたのです。もちろん、ご飯を食べるときもトイレにいるときも、当然移動中もです。

 どうしても休みたいときも、参考書は手に持っている状態を維持するという徹底ぶりです。もちろんそれでも勉強はつらいもので、「もう無理っす。受かんないです」と泣きながら弱音を吐くこともありました。ただ、弱音を吐くときも手だけは止めずに勉強をしながらです。

 その結果、Nくんは志望校だった早稲田の社会科学部に見事合格しました。まさに逆転合格です。

 時代にそぐわないかもしれないですが、大学受験はこういった「根性」でどうにかなる世界です。才能なんてものを跳ね除けて、皆さんの志望校に向かっていってほしいと思います。

――ありがとうございました。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。