老後のお金クライシス写真はイメージです Photo:PIXTA

今年の年金制度改正により、iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度が拡充される。老後の資産形成において効果的に活用できるiDeCoだが、残念ながらNISAほど注目度が高まっていないのが実情だ。しかし、「活用しないのは損」と言い切れるほど、お得な“節税メリット”がある。実際、どのくらい節税できるのか。その効果がひと目でわかる早見表で、チェックしてみよう。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

「50代からiDeCoなんて今さら……」
と思っている人は大損ですよ!

 今年は5年に1度の年金制度改革の年。6月に国会を通過した関連法案の中には、誰にとってもかなりお得な改正があった。それは、「iDeCo(個人型確定拠出年金)の大幅拡大」だ。

 不思議なことに、「良い改正」なのに大きな話題になっていない。“改悪”と言われるもののほうが炎上・話題になりやすいからだろうか。

 意外なことに40~50代の会社員は、iDeCoに関心が低いようだ。

 その理由はいくつかあり、まず大手企業勤務だと退職金制度が充実していて、iDeCoの掛金の枠が残っていないことがある。しかし、今回の改正により掛金枠が拡大すると、加入できる人は増えることだろう。

 また、iDeCoに加入する際に、勤務先への「事業主証明書」という書類を提出するのが面倒で先延ばしになっていたという声もある。確かに、「個人型」なのに、なぜ勤務先の書類を書いてもらうのだ!と思う人もいて当然だ。

 この納得いかないスキームは2024年12月にすでに解消済み。原則として勤務先への証明書依頼は不要となったことを知っておきたい。

 さらに「年齢問題」。50代以上の会社員は「今からiDeCoに加入しても、すぐに60歳になるからもう遅いかも」と二の足を踏んでいる人も多い。今回の改正で加入上限年齢が引き上げられるので、50代でのiDeCoデビューも遅くないのだ。

 このように、今回の改正でiDeCoは格段に使い勝手がよくなり、ユーザーフレンドリーな制度になる。40~50代の会社員の方、食わず嫌いはソンになりますよ!

 ちなみに、詳細は後述するが、iDeCoによる節税効果は年収や税務上の扶養家族の有無によっても変わってくる。自分の節税効果がどれくらいになるのか、簡単にわかる早見表も作成したので、ぜひ最後までお読みいただきたい。