Photo:JIJI
NHKのドラマ『お父さんの季節』(1958~60年度放送)、音楽バラエティー番組『夢であいましょう』(1961~1965年度放送)などの人気テレビ番組での共演をきっかけに、親友同士になる渥美清さんと黒柳徹子さん。しかし、『お父さんの季節』での最初の出会いは衝撃的なものだったといいます。
※本稿は山田洋次・黒柳徹子『渥美清に逢いたい』(マガジンハウス、2024年9月5日発行)の一部を抜粋・編集したものです。
初対面の渥美清から
「なんだこのアマ!」
山田 渥美さんがね、徹子さんに初めて会った時のことを話してくれたことがあったんです。
黒柳 渥美さん、なんて?
山田 非常に驚いたと言っていましたよ。「あの子、こんなとんがった顔で、細い黒いズボンはいて、ちゃちゃっと歩くんだ」って。それまでそういう女性を見たことがなかったと。
黒柳 そうそう、私のこと“カラス天狗(てんぐ)”って言ったんですよ!
山田 渥美さんにとって徹子さんは出会ったことのないタイプだったんでしょうね。浅草あたりでは当時、“いい女”と言ったらふっくらとして、色白で、おっとりとして、ポチャっとして……そういう感じだったのかもしれない。
黒柳 たしかホン読みの時だったと思いますけれどね、渥美さんがあの細い目で、どことなくこちらの方を見たんです。それで私が、よく覚えていないんですが、何かを言ったんですよ。そしたら渥美さん、「なんだこのアマ!」ってね、言ったんですよ。
山田 「なんだこのアマ!」、か。それは渥美さん、本気でむかっときていたんですか?
黒柳 むかっとしたんだと思いますよ。
山田 徹子さんは、何と返しましたか?







