「見栄を張るアホ」は読書しているのではなく、「本を読む姿を誰かに見せたい」だけ。じゃあ、そういう自分とどう付き合うか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「見栄」が行動を歪めるとき
人は社会的な生き物であり、他人の目を気にすることは自然なことです。
しかし、その延長で「見栄」を優先すると、本来の目的から外れた行動を取りやすくなります。
見栄は一時的に満足を与えますが、長期的には行動の軸を歪める原因となります。
見栄がもたらす短期的な効果
見栄を張ることで、一時的に自尊心が満たされることがあります。
周囲から良く見られたいという欲求は、社会で生きるうえで自然なものです。
しかし、その効果は一過性であり、持続的な満足や成長にはつながりません。
見栄にとらわれると、行動の目的が「成果」ではなく「評価」に置き換わってしまいます。
たとえば、「本を読むのは知識を得るため」ではなく「読んでいる姿を見せたい」に変わる。
このすり替えが続くと、本来の目的を見失い、努力が空回りします。
見栄をコントロールする
見栄を完全に排除することはできません。
大切なのは、見栄を動機の一部として認めつつ、それに支配されないことです。
「なぜこの行動をするのか」と定期的に自問し、目的と手段のズレを修正する。
これが見栄をコントロールする現実的な方法です。
見栄は一時的な満足を与える一方で、行動の目的を歪める危険があります。
完全に排除する必要はありませんが、それに支配されず目的を見失わないことが重要です。
冷静に自分を律し、淡々と積み重ねる姿勢。これが、「ゆるストイック」の実践です。
私たちもまた、見栄に行動を支配されず、ゆるストイックに生きましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。








