ランキング抜粋

海運業界が強い!商船三井が圧倒的王者

 上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い陸運・海運会社ランキング2024」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。単体の従業員数が100人未満の企業は除外した。

 それでは早速、ランキングを確認していこう。

 1位になったのは、商船三井で、平均年収は1675.5万円だった。従業員数は1243人、平均年齢は37.3歳だ。

 ケミカル船をはじめとするエネルギー事業や自動車船事業が業績好調で、ドル高の影響などもあり、売上高は1兆6279億円だった。2位とは268万円以上の差をつけて、圧倒的な高年収となっている。

 2位は、飯野海運で平均年収は1406.6万円だった。平均年齢は37.9歳で、従業員数は196人だ。前述の通り、1位の商船三井との差額は大きいものの、前年(2023年3月期)の平均年収1143.3万円と比べて、23.0%も年収が高くなった。

 3位は、川崎汽船で、平均年収は1394.0万円だった。従業員数は847人、平均年齢は38.8歳だ。

 4位は日本郵船で、平均年収は1378.8万円だった。従業員数は1312人、平均年齢は39.8歳だ。

 5位は、NSユナイテッド海運で、平均年収が1143.2万円、従業員数は234人、平均年齢は40.2歳だ。

 今回のランキングは陸運と海運の2業種に絞っているが、1000万円を超えたのは上位5社で、全て海運会社だった。

 海運業界は、コロナによる物流混乱の影響を受けて、コンテナ船の運賃が高騰し好調が続いていた。しかし、米国・トランプ大統領の関税政策により、市況が一気に不透明化し混乱の時期に突入している。

 特集『海運激変! トランプ関税下の暗夜航路』で詳細をぜひチェックしてほしい。

 最後に、ランキング上位の「会社の形態」についても触れておきたい。6位のNIPPON EXPRESSホールディングス、7位の阪急阪神ホールディングス、8位の西武ホールディングスなどの形態は「ホールディングカンパニー」だ。

 ホールディングカンパニーは「持ち株会社」とも呼ばれ、傘下のグループ企業を「親会社」として統制する役割がある。

 そこで働く従業員もグループ企業の「エリート層」であり、事業の運営会社に比べ、少人数であることが多い。このため、総じて平均年収も高額になる傾向がある。

 今回ランクインした35社のうち、年収700万円を超えたのは19社だった。東日本旅客鉄道や東急など陸運業界の年収はどれくらいなのか。次ページ以降をチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド・ライフ編集部 宝金奏恵)