パレスチナ自治区ガザの紛争を巡るドナルド・トランプ米大統領の和平計画は、イスラム組織ハマスの行動により問題に直面している。イスラエルの対応を抑制すれば、ハマスが和平合意を破綻させる自由を得ることを、トランプ政権が理解しているかどうかが問われている。米国がイスラエルに対し、人質の遺体返還を辛抱強く待つよう説得するやり方は、うまくいっていない。ハマスが何体かの遺体を返還してから1週間が過ぎたが、その間にハマスはガザ地区西部の支配を強めてきた。ハマスのテロリストたちは28日に再びイスラエル軍を攻撃し、イスラエル軍の反撃を誘発した。こうした一連の状況は、米国の対応に部分的見直しを迫るはずだ。それは、ハマスが息を吹き返せば、平和維持のための国際的な安定化部隊がいかなる形であろうと、その立ち上げが不可能になるリスクが生じるという認識を持つことだ。